共同売店の底ぢから
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作成日時 : 2009/06/15 12:38
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6月10日発売のBE−PAL「ゲンキな田舎!」は、沖縄地方固有の商形態「共同売店」(共同店)にスポットを当ててみました。
共同売店とは、ごく簡単に言うと集落住民が出資して作った雑貨店です。
交通も物流も不便だった時代、沖縄のような島社会では、自給だけでは賄えない物資を手にするには大変な苦労が伴ったそうです。
必要に迫られて考案されたのが、集落の住民が全員株主になってお金を出しあい、みんなで選んだ「主任」と呼ばれる担当者に、任期の間、店を経営してもらうしくみ。
地域によっては入札方式を取り入れ経営を外部委託しているところもありますが、基本は全員出資、全員参加の共同経営です。
その発祥地がやんばる地区、国頭村にある奥(おく)共同店で、すでに1世紀の歴史を誇ります。
共同売店では安売りをしません。しかし、暮らしに不可欠な商品はたいてい何でもそろっています。
その根底には、お金をなるべく集落内で循環化させることで地域力を高めようという思いがあり、薪炭で景気がよかった時代は、自前で運搬船を持ち、泡盛の醸造所や発電所まで経営していたそうです。
利益は奨学金や、入院費や家畜の購入資金のための低利(あるいは無利子の)融資などに充てられ、住民への配当もありました。
この共同売店が、現在、たいへんな苦境に立たされています。
理由は、大きく分けると以下の3つになります。
@ 自動車の普及と道路網の整備
A 集落の少子高齢化
B 大型ショッピングセンターやコンビニエンスストアの郊外進出
「集落住民のための共同売店」ということですが、じつはその歴史の中で最も重視されてきた役割が、高齢者の生活維持です。
共同売店に詳しい方々は、お年寄りが歩いて行ける範囲に必要なものが買える店があるかないかは、その集落のセーフティーネットそのものであるといいます。
お年寄りが集える店が地域にあれば、健康状態も地域として把握することができます。
今回、取材に協力いただいた共同売店ファンクラブの眞喜志敦さんによると、遠くに離れている子供が故郷の母親の健康が気になるときは、念のため共同店にも電話をするそうです。
本人は「大丈夫さあ」といっても、心配をかけたくなくてそう言っている可能性がある。共同店に聞けば、最近買い物にきたかどうか、健康状態はどうだったかがわかるといいます。そして「みんなで見守っているから大丈夫」とも言ってくれます。
また、共同店は一種のサロンにもなっていて、ゆんたく(おしゃべり)ができるので、独居老人も孤立感がありません。
昔は、共同店前の広場は子供たちの遊び場でもあり、主任はどの家の子かすべてわかっているので、ツケでお菓子を買うことができたそうです。
今も農作業のついでに立ち寄って持ちあわせのないときはツケが利き、さらには1万円ぐらいまでなら現金も借りられます!(奥共同店の場合)
あるコンビニのキャッチフレーズに「街のホットステーション」というコピーがありますが、共同店の場合、実質的な「村のホットステーション」として機能してきたわけです。
共同売店の果たしてきた役割や社会的機能は、じつはこれだけにとどまりません。
興味のある方は、先の眞喜志さんのブログ「共同売店ファンクラブ」をどうぞ。
http://kyoudoubaiten.ti-da.net/
そんなふうに、さまざまなコミュニティー機能が凝縮された共同売店ですが、先に挙げたような事情で、経営が難しくなりつつあります。
また、自分たちのことは自分たちで解決してきたという強い自負が、外部の意見を聞いたり置かれた状況を客観視することを阻んできたという指摘もあります。
しかし、もともとは暮らしの危機感から生まれた自治・自活の知恵なので、したたかに変容しながら生き残るのではないかという感じもしました。
たとえば、奥共同店や東村の慶佐次(げさし)では、エコツーリズムとの連携が始まりつつあります。
共同店が基本としてきた内部循環型経済は、人口の面ですでに限界に差し掛かっているのが実情。それなら外部経済に活路を見い出そうという考えです。
奥共同売店が一括販売する日本一早い新茶「奥みどり」
地域オリジナルの島唐辛子パウダー
簡単にいえば「直売所化」ですが、沖縄の共同売店の武器は、より暖かな包容力と周辺の自然資源です。うまく連動させると、非常に質の高い個性的な着地型観光が生まれるのではないか。そんな直感がしました。
直売所を併設した慶佐次共同店。マングローブ体験の観光客を取り込むことで経営基盤が安定したという
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